入院生活プレイバック④｜意外な経験が役に立ちました

（昨日の続き）


手術によってかつてない痛みを味わうことになったわけですが、

激しい痛みを克服するために、呼吸法以外にも意外な経験が役に立ちました。


それは坐禅です。


坐禅は基本的に動いてはいけません。

例えば、不意に腕がかゆくなったりすることがあるわけですが、掻くことはできません。

我慢しなければならないのです。

腕がかゆくなって掻いてしまうというのは、

■腕がかゆいのを何とかしたい

という衝動から起こります。


禅の教えによると、それは執着心であるとされます。

坐禅中は動くことができないわけですから、かゆいのを何とかしたいと思ってもどうすることもできません。


だから、諦めろ！

と私は和尚さんから教わったのでした。


これは痛みについても同じことが言えます。

痛いのを何とかしようと思っても何ともなりはしないのだから、諦めろ、と。


それを思い出した私は、痛い痛いと騒ぎ立てるのは止め、観念したのでした。

どうにもならないと観念すると、不思議なことに落ち着きを取り戻すことができたのでした。


坐禅がこんなところで役に立とうとは思いもよりませんでした。


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