さようならおばあちゃん

祖母が他界しました。

大正14年生まれ、91歳でありました。

夫である祖父は60代で亡くなってしまいましたので、20年以上を未亡人として過ごすことになってしまったのですが、

子供5人（そのうちの1人が私の母）

孫10人（そのうちの1人が私）

ひ孫7人

と、それぞれ離れて暮らしてはいるものの、多くの家族に恵まれたという意味では幸せな人生だったと言えるのではないでしょうか。


私の祖母との思い出をお話させてもらいますと、一緒に暮らしてはおりませんでしたので、学校の夏休みに遊びに行ったときが接点でありました。

動物園やそうめん流しに一緒に行きました。

初めてコアラを見たのがこのときでしたし、そうめんが流れる様子に興奮したりもしました。

また、どういうわけか、地元の子供達に混じってラジオ体操にも参加しました。

中学生の頃まではそういう感じで会いに行くことがあったのですが、高校進学後からは滅多に行かなくなりました。

会わない間もお年玉を送ってもらったりしており、その都度電話でお礼を言うようなことはありましたが、高校生の頃の私はそれを大してありがたいと思いもせず、思春期の男子にありがちなぶっきらぼうな受け答えをしていたような気がします。

しかし、大学に入りますと事情が変わり、お金がなかったので、祖母のお年玉は本当にありがたかったです。

それでも当時は自分の趣味に夢中であり、会いに行くということは全く考えていませんでした。
祖母の存在より祖母がくれるお金をありがたいと思っていたのです。

恥ずかしい話です。


そして、就職して5年ほど経ったある日、十数年振りに会いに行きました。

なぜ会いに行こうと思ったのかはよくわかりません。

そのときは、祖母と伯母と年を越しました。


それから、私は公認会計士の受験勉強を開始するのですが、その間祖母が私のことを心の底から応援してくれていたことを知ったのでした。

運良く合格できた私は、その報告を祖母に電話で行いました。

「合格しました」

という第一声の後、どんな言葉を交わしたのかは覚えていません。

ただ、私は感極まって泣いてしまいました。


祖母は私のことを期待し、応援してくれていました。

そのことをそのとき感じたために涙したのだと思います。


私は、誰のためでもなく自分のために受験をしました。

しかし、祖母はそれを我が事のように喜んでくれました。


自分のことを心から応援してくれる人ってどれだけいるでしょうか。

祖母に対してこのときほどありがたいと感じたことはありません。


これは自分のためのチャレンジだったわけですが、

（おばあちゃんが喜んでくれた。チャレンジしてよかった）

と心から思ったのでした。


この出来事が私と祖母とのハイライトだったと思います。


祖母は、畑仕事に精を出し、家では味噌やお餅をこしらえたりなどして過ごすという、贅沢とは無縁の生活でした。

こうして言葉にすれば平凡とも取れる暮らしぶりではありましたが、長い人生いろいろなことがあったはずです。

そして今、祖父の待つ世界へ旅立ちました。

これからは一緒に私達家族を見守ってくれたら幸いです。

さようなら、おばあちゃん。


↓応援のクリックまたはタップをお願いします。


人気ブログランキングへ

いつもありがとうございます