ゆっくりと変わってゆく

子供の頃の私と今の私とでは大きく異なっている部分があります。

子供の頃はお菓子や甘いものが大好きでしたが、今ではそれほど好んで食べたいとは思いません。

では、いつからそうなったのかというと、それがよくわからないのです。
よくわからないというのは、それがゆっくりと徐々に変化していったからだと考えられます。

このようにゆっくりとした変化というのはこの世にいくらでも存在します。

たとえば老化がそうです。

人は、ある日突然おじいさんやおばあさんになるのではなく、

ゆっくりと徐々に変化した結果そうなるというのは、ご理解頂けることと思います。

こうしたゆっくりとした変化に共通する特徴は、始めのうちは気付きにくく、変化が表面化したときには、もう相当進んでしまっているということです。

がんは早期発見により完治が可能な一方で、自覚症状が現れた頃には、もう手遅れ、ということも少なくありません。

経済の変化にもこうした傾向があると私は感じています。

リーマンショックはあの日突然起こったのではなく、何年も前からのゆっくりとした変化によってもたらされたと考える方が自然であると思われます。

小さな変化の兆候に気付けるかどうか、また、変化を想定した予防措置をとれるかどうか、

これが、がんを早期に発見できるかの分かれ道でありますし、経済の荒波を渡っていくための分かれ道であると思います。



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