大企業と中小企業④｜営業部対製造部

大企業が陥りがちなセクショナリズムについて、私が経験した事例をお話したいと思います。

私が、某メーカー系大企業に勤めていた頃のことです。


営業担当だった私は、ある日、

「この製品をこの日までに届けてほしい」

という注文を受けました。

早速、在庫確認をしたところ、運悪く在庫はなく、納期は製造部からの回答待ちということになりました。

しばらくして、製造部からの回答が返ってきました。

回答は、お客様の希望に沿わないものでした。

そこで私は、

「なんとかなりませんか」

と、直接工場へ問い合わせました。


しかし、色よい返事はもらえず、結局こちらで用意できる最短の納期を再度お客様に提示することになりました。

もちろん、最大限に恐縮して。

このときどうだったかは忘れましたけど、場合によっては値引きすることもあり得ます。



こういうとき、営業サイドから見れば、

（製造部は融通が利かない）

という思いになります。

一方で、製造サイドから見れば、

（営業はいつも無理なことばかり言う）

と思うことでしょう。


このような争いは日常茶飯事であり、

挙げ句の果てには、

（こっちは夜中まで働いているのに、製造部は定時で帰りやがる）

とか、

反対に、

（営業の連中は昼間は車の中で昼寝をしている）

などと、互いに相手をののしるようにさえなってしまいます。


これは、自分たちの都合を優先に考えるセクショナリズム以外の何者でもありません。

大企業では、得てしてこういうことが起こるというのは、入社する前に知っておくといいかもしれません。

明日は、いよいよ中小企業についてお話したいと思います。


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大企業と中小企業③｜大企業のセクショナリズム

大企業には大勢の社員がいます。

社員は、営業や総務、秘書室などといった部署に配属され、その部署内でのみ仕事をするのが一般的です。

一つの部署に数十人あるいは数百人といった人数が在籍していますので、その部署だけでも一つの会社であるかのような様相を呈していることが少なくないでしょう。


実際、部署のトップにはかなりの権限が与えられており、大抵のことは部署内で片が付きます。

そうなりますと、他の部署の人と関わる機会というのは限られることになります。


私も、かつて金属メーカーの営業部に所属していた頃は、他の部署の人とは電話で話すことはあっても、実際に会って話をするということはありませんでした。

同じ学校に通ってはいるけれど、クラスが違うのであまり交流はないというのと似ています。

それに加えて、大企業は役割分担が明確なので、営業部だったら営業しかやらないのが通常です。

総務だったら総務の、人事だったら人事の仕事だけをやることになります。

これには一長一短があり、長所は一つの業務に専念できることにより効率化が図れること、短所は会社の全体像が掴めなくなることかと思います。

私もメーカーにいた頃は、営業だけに専念できたのはよかった反面、材料をどこから仕入れているのかも知らず、いつの間にか誰かが考えた新製品を売るという仕事をしていました。


このことがどういう作用を及ぼすかというと、他の部署の都合を考えることなく自分の部署の都合を優先するような、セクショナリズムが蔓延することになります。


明日はその一例を紹介することにしましょう。



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大企業と中小企業②

大企業と中小企業についてお話しています。


平均的に見て、大企業の方が給与も高く、その他の待遇も中小企業よりいいのが通常です。

また、優秀な人材が集まりますから、あらゆる面で自分を成長させる環境が整っていると言えそうです。


しかし、その仕事にやりがいを感じ、楽しめるかどうかは入ってみないとわからないものです。

ですから、もしその仕事が自分のやりたいことではなかった場合が問題となります。

このようなことは中小企業の場合でもあり得ることですが、大企業の場合ですと、待遇がいいだけに退職するという決断に踏み切れないことがあるように思います。

（せっかくいい会社に入ったのだから、辞めるなんてもったいない）

こういう心理が働きやすいのではないでしょうか。
また、家族からも退職を思いとどまるよう言われるかもしれません。

そうやって仕事に対して不満を抱えたまま、ズルズルと定年まで働いてしまう、

そんな人がもしかしたら大勢いるのかもしれません。


大企業への就職を希望する場合、その点を念頭に入れておく必要がありそうです。

ただ単に、規模が大きいから、名前が売れているから、などという理由で選んでしまうと失敗する可能性が高いです。

しかし、失敗したとしても今よりいい待遇の転職先などそうそうありませんから、生活のために我慢して働き、週2日の休日を心待ちにする、そんな会社員人生を送ることになるかもしれません。

普通、入社する前というのは、その会社で楽しく働いている自分を想像してしまうものですが、現実には逆の可能性もあるわけで、特に大企業の場合にはそのときどういう選択を採るべきか、というのは考えておいた方がいいかもしれません。


ちょっと昨日と似たような話になってしまいましたが、明日は別の角度から大企業について考えてみたいと思います。


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大企業と中小企業①

就職活動で会社を選ぶ際、大企業にするか中小企業にするかというのは一つの判断の分かれ目になるかもしれません。

そこで、私なりに大企業と中小企業について考えてみました。


まずは、大企業から。

最近の就職活動の傾向を見ますと、大企業を志望する人がやはり多いようです。
大企業は知名度が高いですし、財務的にも安定しているという点が大きいのかもしれません。

多くの人が大企業を志望すれば、結果的に優秀な人材が集まる可能性が高まります。
そして実際に、大企業には優秀な人材が集まっています。

つまり、大企業に入れば、レベルの高い人間関係を作れる可能性が高いということになります。
これは、かなり魅力的と言えるでしょう。

また、退職金や企業年金制度を採っている会社もあり、退職後の生活もある程度計算できるほか、会社のお金で海外出張に行けたりだとか、中小企業では考えられないような待遇で働くことができます。

大げさに言えば至れり尽くせりという感があります。

ただし、当然のことながらデメリットもあります。

大企業は優秀な人材が集まり、待遇も素晴らしいのですが、仕事が楽しいかどうかは別問題です。
これは入社してみないとわかりません。

しかし、待遇がいいだけに、辞めるという選択を採るのが難しいのです。
すでに結婚して子供がいるという状況であればなおさらです。

結局、今の待遇を捨てきれず、我慢して働いているという人が相当おられるのではないでしょうか。

仕事は楽しくないが、それさえ我慢すれば、家族と安定した生活を送ることができる、この選択をすること自体、悪いことではないと思います。

しかし、このような心的態度を持ってしまうと、社内での自分の居場所の確保に躍起になり、お客様のことよりも、社内での自分の評価をいかに高めるかということに神経を使うおそれが出てきます。

お客様のためではなく、上司や役員のために仕事をするようになるのです。

私もかつて大企業にいた経験からすれば、大企業には少なからずそういう空気があるように思います。

明日に続きます。


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出世するためには

30代にもなりますと、

何らかの役職が与えられ、部下を持つようになるかもしれません。

マネジャーとしての役割が加わるということです。


そして、昇進を重ねるごとにマネジャーとしての割合が増えることになり、いわゆる管理職へと就くことになります。

会社という組織においては、マネジメントができる人が出世できるということです。


たとえば、今30代で営業主任という立場にあったとすれば、自分の営業成績よりも部下の成績を上げることに力を注ぐ方が好ましいと考えられます。

自分の成績ばかりを上げることに躍起になっていますと、評価されないばかりか、マネジメントのできない人間とみなされ、次のポストを後輩に奪われるということにもなりかねません。

自分だけ頑張っていれば評価されるのは20代までだと思います。


出世したくなければ、このことを気にかける必要はありませんけど、そういう態度に出ればリストラの第一候補に躍り出ることを覚悟しなければなりません。

せめて、部下を飲みに誘うくらいのコミュニケーションはとっておきたいものです。


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